日本の神話をちょっと勉強した。
出雲は日本神話の中心的な舞台である。
こちらに転勤するまでは日本神話に何の興味も無かったが、少しずつ興味が湧いてきている。
日本神話とは『古事記』『日本書記』『風土記』などに記述されている伝承である。
ヤマタノオロチとかスサノオとかイザナギとかが出てくる話で、ゲーム・漫画などが好きな人は聞いたことのある名前だと思います。
僕は出雲に来るまで知らなかったが、有名な「国譲り神話」で葦原中国(あしはらのなかつくに)をオオクニヌシノオオカミから譲りうけたアマテラスオオミカミは天皇家の皇祖神(先祖みたいなもの?)となっています。
参考:神話めぐり国譲り
戦前は「皇国史観」といわれる日本神話は史実だという考え方が主流で、歴史の教科書も日本神話から教えていたそうです。
一方で、日本史学者の津田左右吉さん(1873~1961)は日本神話の実在性について戦前から批判的に考察していました。
ところが、第2次世界大戦頃になると、天皇を神格化する流れが強くなり、、日本神話を否定した津田左右吉さんは政府に起訴されることになります。この一連の事件は津田事件と呼ばれる。
敗戦後になって津田さんは、熱狂的に学界に迎えられ、「皇国史観」を否定する「津田史観」が歴史学の主流となったそうです。
参考:古代神話を批判した津田左右吉
戦後は戦前の反動とも言うべきか、日本神話は嘘であるという考え方が強くなりすぎたようで、古代出雲が考古学の研究対象となることはほとんど無かったようです。
(ただ、私が見る限り、津田さんの学説は日本神話の一部の実在性を否定しているだけで、戦後は極端な解釈をされているように感じます。)
というわけで、考古学の世界で日本神話は長らく軽視されていたらしい。
ところが、昭和59年に出雲市内の荒神谷遺跡で大量の銅剣や銅鐸(どうたく)が発見されてから、古代出雲に何らかの巨大な権力があったことがうかがわせる物が次々に見つかっています。
参考:神話の世界 「出雲王朝VS大和王権」裏付ける〝物証〟
現代は日本神話はまるっきりの嘘ではなくて、何らかの史実に基づいて創作された話である、というのが一般的な考え方のようです。
素人が少し勉強した程度の知識で恐縮ですが、古代出雲については、まだまだ研究が進んで新しい事実が出てくるのではないかと思っています。
個人的に歴史を学ぶ意義は時代を超えても変わらない普遍的な人間の本質を知るためだと思っています。また、神話自体が時代の権力者によって都合の良く使われている点も興味深いですね。あと、小説を書きたい人とか漫画を書きたい人はぜひ神話を勉強するべきです。パクれる話がたくさんあると思います。神様とかの名前もかっこいいですしね。
この記事を見られた方で日本神話の説明部分で間違いなどがありましたら、ご指摘ください m(_ _)m